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水をめぐる小さな旅
通潤橋 江戸時代の用水の知恵
石橋が多い熊本にあって、緑川水系の流域は宝庫でもある。百年余りを生きた眼鑑橋(めがねばし)の石積みに刻まれる匠の技、役人の叡智、農民の汗。とりわけ川を渡る目的でなく水を引くための通潤橋は、水の重さを現代に伝える。遠方の水源から延々と引いた用水、水を得る森林作り。一適の水を思う人間の知恵を訪ねる。
3本の水路が通る通潤橋
田畑を潤す、生命線の石橋

優美なアーチを描く通潤橋は、それだけで惚れ惚れするほど美しいが、圧巻なのは石橋の中央から真っ白い水しぶきを上げて勢いよくほとばしる放水のシーンである。この、石組みによる端正な眼鑑橋は、水の便が悪い台地に農業用水を送ることを目的に造られた水路橋。橋の北側に取水口、南側にサイフォンの原理を応用した吹上げ口を持つ独特な構造で、通水用の石菅が三列走っている。放水は、用水路を流れてきた土砂や落ち葉による目詰りを防ぐためで、水圧で放水穴から土砂を吐き出させる仕組みになっている。
筧の跳ね上がる水を見て着想。
肥後潘の記録では、石造アーチ橋を目鑑橋と記した。この目鑑橋の中に水を通すというのは考えただけでも難工事だが、皇居の二重橋も手がけた種山石工たちの不屈の精神が通潤橋の完成に導いた。技術的に橋の高さは限界だったため、U字菅の原理を応用したサイフォン方式で、橋裾の石組みは熊本城の石垣に学んだといわれ、その美しい姿に高い技術がしのばれる。昭和35年に国の重要文化財に指定された。
取水口近くに設けられた円形分水装置。

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