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古来、滝壺には主である竜神や大蛇がすむといわれ、滝にまつわる伝承は事欠かない。一体となってほとばしり落下する姿は百滝百様。神秘的な美しさは見ていて飽きず、身と心を清めてくれる。わけても熊野の那智ノ滝は、日本一。その千尋の水煙にぜひ触れたくて。


那智ノ滝は、滝の前に立ってこそ初めて、その厳粛で神聖な感じを体得できるのだった。轟く瀑音をわが耳に聞き、一直線に落ちる水の霊気に打たれてこそ、畏敬の念がわき起こる。わが目でとらえて、熊野の神々の根っこに横たわるものが、まさしく大自然そのものと知った。


垂直に落下する那智ノ滝は、途中から岩にぶつかりたぎる。かつては千手観音の磨崖仏が彫ってあったが、1180年の地震で崩れ落ちたという。
朝まだきころ、白霧が次第に流れ去ると、那智ノ滝が姿を現す。紫紺色に明けた空に重畳と連なる熊野の山々。遠くしみ出した一滴の水は、岩を噛み谷を刻んで流れ伝い、中天の飛瀑となる。つかの間も同じ姿態を見せず、轟き落ちる白滝に、人々は神を見てきた。大いなる熊野の自然信仰の象徴だ。白い水柱は祈りの姿にも見える。

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