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水をめぐる小さな旅(9)
新潟・高柳町 山間の棚田の米作り
満々と張られた田水に、植えたばかりの苗の先がつんつんと列をなす五月田。間もなく青一色に染まる青田。山や谷を切り開き、石垣や土坡(とは)を積み上げて段々を形づくる棚田の景観は、日本の原風景といわれる。千枚田とも呼ばれるのは、狭い田が転じてのことともいい、平地と違う苦労や汗の結晶が伴う。コシヒカリの産地でもある高柳町。山に囲まれた棚田では、自然乾燥の稲架も目にした。
美しい曲線を描く大野集落の花坂の棚田
「棚田百選」に選ばれた景観

ユーラシア大陸の東に位置する細長い日本列島は、その七割が山地だ。平地が少ない土地柄、山の傾斜面や扇状地などを利用して、各地に水田を開いてきた。斜面をならして幾重にも段々を連ね、畦を作って水をたたえた。1999年、農林水産省が認定した「棚田百選」は134の地区。景観保護に加え、自然のダムにたとえられる水源涵養と土砂崩れ防止、生態系保護など棚田の機能を見直し、生産者への激励を込めたのだという。新潟県高柳町は、黒姫山のふもとに位置する小さな町だが、3ヶ所が百選に選ばれた。
山の湧き水がうまい米をつくる

うまい米がとれるのは、土壌の関係、昼と夜との寒暖の差、そして、なんといっても、水のよさ。この辺りは山の湧水が豊富。だからうまいコシヒカリがとれる。湧き出した水を、山中からここまで流す細い水路が、田の脇の斜面を流れていく。手ですくうと、水はびっくりするほど澄んでいて冷たかった。けれど山の際に接した棚田には、山から湧いた冷たい水が流れ込む。水温が低すぎると、稲に実が入らないので、一枚一枚の田に副水路を設けて水を迂回させ、日に当てて湧き水を温めてから田に水を入れる。
田の脇を流れる副水路

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