【脇町の町並み】
重厚な丸瓦ぶきの商家が続く。漆喰の白壁に、銀色の鬼瓦、鳥ぶすま、また虫籠(むしこ)窓や格子窓。郷愁を覚えるような美しい町並みが続く。国の重要伝統建造物群保存地区に選定されている地域だ。その南町は、旧商家の本街道だった繁華な通り。当時の町家が今も軒を連ねる。 |
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【豪商「佐直」】
ほぼ中央にある吉田家住宅は、寛政4年に建てられた藍商「佐直」。立派な建具や座敷が豪商の面影を伝える。かっては吉野川がすぐ裏手を流れ、藍舟の着く船着き場があった。 |
【うだつ】
中でも、珍しいのが「うだつ」。隣家との境に作った防火壁で、妻壁の横に張り出した袖壁のこと。これを作るには建築費がかかったので、防火壁を作れないことが「うだつが上がらない」という言葉になった。町中に50もあるうだつを見て歩くだけでおもしろい。明治になると商家のあかしに。競い合って2層うだつまでできた。 |
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【田中家住宅】
石井町藍畑にある、安政から明治、大正へと大いに栄えた藍商。吉野川の安政の大水で流され、現在地へ落ち着いた。母屋を中心に、藍寝床や藏がぐるりと取り巻き、当時の藍商人の富裕さを彷彿させる。11棟の建物と石垣は国の重要文化財。藍納屋には、平型舟が緊急用につり下げてあったが、さらに驚いたのは葦(よし)で葺いた屋根。丸瓦の屋根に帽子のようにちょこんと茅ぶき屋根がのっている。これは、大洪水のときに屋根ごと浮いて舟になる仕組みなのである。 |
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【撥ね釣瓶(はねつるべ)井戸】
藍のための吉野川の水をくみ上げた撥ね釣瓶(はねつるべ)井戸も安政のころのまま残る。 |
【石垣】
藍の道具も展示されるが、なにしろ興味深いのは洪水対策を徹底した建物だ。完成まで30年もかけたのである。屋敷全体が四国4県から集めた青石や撫養石を組んだ緻密堅固な石垣のようだ。しかも石垣の三分の一は土中に埋まっており、水の勢いをそらす工夫も取り入れてある。「母屋より石にお金がかかったのです」田中家の跡とりは、今もここに暮らす。 |
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