季節のコースメニューを見ると、“ブリ”“大根”“鱈の白子”などの和の食材名が羅列されている。料理を想像しながら待つと、出されたものは和食の趣である。食べ進むうちに、フレンチのだしであるフォンのうまみを感じ、さらに食材の組合せの妙に驚く。「遊び心のあるフランス料理を作りたい」という松本一平シェフの言葉どおり、見た目は日本ならではの食材と盛りつけだが、食べるとフレンチ。そのギャップが楽しい。もちろん、これからも残したい王道のフランス料理を味わえるクラシックコースもあり、冬の時季はジビエが食べられる。20席の落ち着いた空間でいただく食事は、驚きと楽しさであふれている。昼は3,500円と5,000円のコース、夜は季節のコース10,000円とクラシックコース15,000円(すべてサービス料別)。 撮影・安田如水(本誌)/取材、文・石出和香子 |
 |
11時〜13時半、 18時〜21時(共にL.O.)。 水曜休み。要予約。 |
 |
東京都中央区日本橋室町1の9の4 B1 電話 03-6262-3959 |
|
 |
写真上 クラシックコースの一例。“毛ガニとカブのガトー仕立て”。赤色の美しいレディス大根と京かぶらの間に蒸した毛がにをはさみ、帆立貝のだしのジュレでつないだ一皿。はちみつとゆずこしょうのソースが毛がにの甘さを引き立てる。
写真下 季節のコースの一例。“おかしなフォアグラ”。その名のとおり、ゴーフレットにはさんだフォアグラはお菓子のよう。いぶりがっこの食感もおもしろい。 |
|